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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.07.03 Tue » バークリー版コナン

 ミレニアム版コナンの巻頭には、「カール・エドワード・ワグナーの思い出に捧ぐ」という献辞が載っている。理由は「ハワードの書いた《コナン》ものだけを集める」という試みを最初にはじめたのがワグナーだから。
 その試みが1977年に出たバークリー版コナン全集である。

 残念ながら、版権のトラブルで3冊しか出なかったが、これはすばらしい本であった。ハードカヴァー版とペーパーバック版があるが、当方が持っているのは例によって後者。

第1巻 The Hour of the Dragon (1977)

2006-2-7(Hour of Dragon)


第2巻 The People of the Black Circle (1977)

2006-2-7(People).jpg


3巻 Red Nails (1977)

2006-2-7(Red Nails)


 その編集方針はつぎの通り――

1 本文は〈ウィアード・テールズ〉掲載のテクストから起こす。
2 〈ウィアード・テールズ〉掲載時のイラストを数葉復刻する。
3 発表順に作品を並べる。

 このほか目立った特徴としては、ワグナーが読み応えのある解説を全巻に寄せていること、ケン・ケリーのカラー・イラストが折り込みポスターになっていることがあげられる。
 
 ハワードのオリジナル原稿が公開されていなかった時点では、可能なかぎりオリジナルに忠実にという編集方針である。
 
 ハワードを食い物にする連中が権利を押さえたせいで、この試みが中絶したのは、かえすがえすも残念。おかげで「純正ハワード印のコナン全集」が実現するまで、その後23年も待たねばならなかったのだ。
 
 ワグナーは、この後も「ディ・キャンプの手がはいってないオリジナル・コナン」を世に出すことに執念を見せ、80年代に編んだヒロイック・ファンタシー・アンソロジーに3つのテクストを収録した(追記1参照)。(2006年2月7日)

【追記1】
 具体的には「黒い異邦人」、“The Frost King's Daughter”、「氷神の娘」の3篇。

【追記2】
 参考までに収録作を書いておく。

第1巻 The Hour of the Dragon
「龍の刻」

第2巻 The People of the Bkack Circle
「鋼鉄の悪魔」、「黒い予言者」、「魔女誕生」、「古代王国の秘宝」

第3巻 Red Nails
〈小説〉「黒河を越えて」、「ザムボウラの影」、「血の爪」
〈資料〉「ハイボリア時代」


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