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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.07.05 Thu » 『ハワード・コレクター』

〈ハワード・コレクター〉というのは、ハワードの遺稿を管理していたグレン・ロードが1961年から73年にかけて出していたファンジン。ハワードの未発表原稿や手紙、ハワードにまつわる記事を載せたもので、250部からスタートし、最終の18号は500部くらいになったというが、その使命を終えた。ハワードの書いたものなら、没原稿や書きかけの断片まで商業出版されるようになったからである。

 そのファンジンのベスト版として企画されたのが、The Howard Collector (Ace, 1979) だ。編者はもちろんグレン・ロード。

2006-2-10(The Howard Collector)

 内容は三部に分かれており、第一部はハワードの作品(詩、習作、没原稿、断片、手紙)、第二部はハワードゆかりの人たちの随想や手紙、第三部はハワード研究エッセイという構成になっている。

 重要なのは第二部で、ハワードの父親がH・P・ラヴクラフトに息子の死を報告した手紙など、第一級の資料が満載。こんどの創元版の基礎資料として存分に活用させてもらうつもり。

 ところで、ロードはディ・キャンプ一派とは一線を画しており、ハワードのオリジナル原稿を世に出すことに腐心している。こういう人がいてくれて、ほんとうに良かった。(2006年2月10日)

【追記】
 本書からE・ホフマン・プライスの回顧録、「ロバート・アーヴィン・ハワード」を訳出し、《新訂版コナン全集》第4巻『黒河を越えて』(創元推理文庫、2007)に収録した。
 さらにハワードの父親、I・M・ハワードが息子の死をH・P・ラヴクラフトに伝えた手紙と、上記の回顧録を読んでプライスに出した手紙を第6巻に収録する。


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