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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.07.29 Sun » 『オメガ・ポイント三部作』

 ジョージ・ゼブロウスキーといえば、わが国には哲学的スペース・オペラ『灰と星』(サンリオSF文庫)と『オメガ・ポイント』(同前)が翻訳紹介されている。後者の初版表紙絵が痺れるほどカッコいいのでお見せしようと思ったのだが、本が見つからない。さんざん探して、ようやく押入に眠っていた段ボール箱のなかから掘りだしてきた。その甲斐はあったと思うので、下の図版をご覧ください。

omega1.jpgomega2.jpg

 これは The Omega Point (Ace, 1972) の裏表紙と表紙。画家の名前は書かれていないが、ディロン夫妻ではないかと思う(追記参照)。ちなみに本書はゼブロウスキーの処女長篇である。

 同書は典型的なアメリカン・ニューウェーヴの産物で、大時代なスペース・オペラの設定に哲学的思索を盛りこんだもの。題名はもちろんティヤール・ド・シャルダンの進化思想からきている。眼高手低の感は否めないが、将来を嘱望させる作品だった。

 ゼブロウスキーは同書の前編と続篇を書き足して、全体を三部作とする構想を立てた。こうして1977年に第一部に当たる『灰と星』が出たが、Mirror of Minds と仮題の付された第三部はなかなか刊行されなかった。
 けっきょく遅れに遅れて1983年に出たが、そのとき前二作はすでに絶版だったらしく、三作をまとめた合本の形で出た。それが The Omega Point Trilogy (Ace, 1983) で、下の図版がその表紙。

2011-3-20(Omega Point Trilogy)

 というわけで、Mirror of Minds という単著はどこにもないのである。

 それにしても、いまオメガ・ポイントというと、楽天ポイントのたぐいと勘違いされそうな気がするなあ。(2011年3月20日)

【追記】
 ボブ・ペッパーという画家だった。お詫びして訂正します。

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