fc2ブログ

SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

2012.07 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2012.09

2012.08.08 Wed » 『リール・スタッフ』

 昨日につづいて、アチラのSF映画原作アンソロジーをあげる。
 ブライアン・トムゼン&マーティン・H・グリーンバーグ編の The Reel Stuff (DAW, 1998) だ。こちらはペーパーバックで、アッカーマン&スタインの本にくらべればスリムだが、『地球の静止する日』(創元SF文庫)にくらべれば倍近くのヴォリュームがある。

2006-5-11 (Reel Stuff)

 収録作品を記す――

「擬態」ドナルド・A・ウォルハイム
「変種第二号」フィリップ・K・ディック
Amanda And the Alien ロバート・シルヴァーバーグ
「サンドキングズ」ジョージ・R・R・マーティン
「追憶売ります」フィリップ・K・ディック
「空襲」ジョン・ヴァーリー
「禁じられた場所」クライヴ・バーカー
「記憶屋ジョニイ」ウィリアム・ギブスン
「わが友なる敵」バリー・ロングイヤー
「ナイトフライヤー」ジョージ・R・R・マーティン
「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」H・P・ラヴクラフト

 一篇だけ邦訳のないシルヴァーバーグの作品は、なんにでも化けられる異星人が、たまたま17歳の少女の体を同化吸収して収容所から脱走したはいいが、同じ17歳の少女に正体を見破られたためひどい目にあう話。いかにも作者らしい古典的SFのアップ・トゥ・デート版。

 さて、ディックとマーティンは2篇ずつ載っている。アッカーマン&スタインの本とは重複が4篇。安易な造りといわざるを得ないが、お買い得用パックならこれでいいのだろう。
 拙著に採った作品は、ウォルハイムの「擬態」だけである。

 こういうお徳用パックの需要は、わが国にもありそうな気がする。だが、こういうアンソロジーを作ると、酷評と罵倒の声しか聞こえてこないので、なかなか作る気になれないのだ。
 しかし、そういう声は気にせず、お徳用パックを作ったほうがいいのかもしれない。(2006年5月11日)

スポンサーサイト