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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.09.28 Fri » 幽霊短篇

【前書き】
 以下は2007年8月11日に書いた記事である。


 幽霊短篇といっても、幽霊が出てくる短篇のことではない。存在自体が幽霊みたいな短篇のことだ。
 ブラッドベリの最新短篇集 The Cat's Pajamas (William Morrow, 2004) 【追記参照】の目次を見ると、

THE CAT'S PAJAMAS 123
THE MAFIOSO CEMENT-MIXING MACHINE 145

となっている。ところが、じっさいはこのあいだに“Triangle”という短篇がはさまっているのだ。

2005-4-25(Cat's Pajamas)

 同書の目次は2ページにまたがっているので、なにかの理由で前のページのいちばん下に来る「TRIANGLE 133」という一行が落っこちたのだろう。
 目次にない短篇がはいっているのだから、読者にしたらボーナスみたいなものなのだが、最初は相当にびっくりした。当方は買った短篇集の目次をノートに書き写す習慣があるのだが、あとからこの作品を追加したしだい。

 これと逆のケースもある。
 やはりブラッドベリの短篇集で Classic Stories 1 (Bantam, 1990) というのがある。これは既存の短篇集『太陽の黄金の林檎』と『ウは宇宙船のウ』を合本にしたもの。

2011-9-15 (Apple)

 ご存じのとおり、『ウは宇宙船のウ』自体が再編集本なので、重複収録作が出てくる。そこで一部の作品の間引きが行われているのだが、編集者のミスで短篇「太陽の黄金の林檎」が、両方から落ちてしまったのだ。つまり、表紙や目次には「短篇集『太陽の黄金の林檎』より」とあるにもかかわらず、表題作が消えてしまったのである。
 この重大なミスが訂正されたのは3刷から。当方もうっかりミスは多いので他人のことを笑えないが、それにしても……。
 ちなみに、当方が持っているのは6刷なので、幸か不幸か「太陽の黄金の林檎」は収録されている。

 それにしても、こういう例に遭遇すると、書誌を作るときは実物にあたらないといけないな、とあらためて思い知らされるのだった。(2007年8月11日)

【追記】
 同書は『猫のパジャマ』(河出書房新社、2008)として拙訳が出た。この時点では最新短篇集だったが、2009年に We'll Always Have Paris (William Morrow) が出て、これが生前最後の(再編集本ではない)短篇集となった。

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