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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.10.28 Sun » 『幻想の剣士たち』

【承前】
 L・スプレイグ・ディ・キャンプのヒロイック・ファンタシー啓蒙アンソロジー。第三弾は The Fantastic Swordsmen (Pyramid, 1967) だ。

2006-5-23(Fantastic)

 このころになると、ランサー版《コナン》シリーズの刊行がはじまっており、さすがに前のように選りどり見どりというわけにはいかなくなってくる。

 まずは内容を見てもらおう。例によって作者名のあとに所属するシリーズ名を付す――

Introduction: Tellers of Tales L・スプレイグ・ディ・キャンプ
「黒い蓮」ロバート・ブロック
「サクノスを除いては破るあたわざる堅砦」ロード・ダンセイニ
「トムバルクの太鼓」ロバート・E・ハワード&L・スプレイグ・ディ・キャンプ 《コナン》
The Girl in the Gem ジョン・ジェイクス 《戦士ブラク》
「ドラゴン・ムーン」ヘンリー・カットナー 《エラーク》
「蕃神」H・P・ラヴクラフト
「歌う城砦」マイクル・ムアコック 《エルリック》
The Tower ルイジ・デ・パスカリス

 このうちハワード&ディ・キャンプ(ハワードの遺稿にディ・キャンプが補筆した没後共作)、ムアコック、デ・パスカリスの作品が書き下ろし。編者が新味を出そうと知恵を絞ったのがわかる。
 ちなみにデ・パスカリスの作品は、イタリア語からの翻訳。もっとも、出来はファンジン・レヴェルだが。ジェイクスの作品は、《戦士ブラク》シリーズ第一作である(これも凡作)。
 
 新顔は3人。逆にハワードとダンセイニは3冊すべてに顔を出している。なんにせよ、この3冊に登場した作家たちが、ディ・キャンプの考えるヒロイック・ファンタシーの中核であり、それがほぼそのままの形でわが国に伝えられたのである。

 もちろん、当方もその影響をもろに受けているわけで、『不死鳥の剣』(河出文庫)にはダンセイニの上記作を採らせてもらった。(2006年5月23日)


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