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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.12.20 Thu » ガードナー・ドゾワのこと

【前書き】
 前回と前々回の記事でとりあげたアンソロジーは、ジャック・ダン&ガードナー・ドゾワの編になるものだった。片割れのドゾワについて書いた記事があるので公開する。


 山岸真さんが「ガードナー・ドゾワの短編集を日本で出したらどうか(知名度・伝説化の度合いが低すぎてだめか)」という意味のことを日記に書いていらした。
 じつはドゾワは当方のお気に入りの作家のひとりで、出世作を訳して〈SFマガジン〉に載せてもらったこと(追記参照)もあるし、短編集の目次案を練ったこともある。そして、日本で出すのは無理だな、と結論を出したのだった。

 というのも、この人は玄人好みの技巧派作家にして優秀な編集者であり、その意味ではデーモン・ナイトとよく似ている。ナイトの日本での受容具合を参考にすれば、ごく一部の層にしかアピールしないことは容易に想像がつくのだ。

 とにかく、息が長く肌理細かな文章が最大の長所であり、派手なアイデアや起伏の多いプロット作りとは無縁なので、海の向こうでも作家仲間に高く評価されるわりに、一般的人気はさっぱりというタイプなのだ。たぶん日本でも同じだろう。
 サンリオSF文庫で長篇『異星の人』が訳され、水嶋正路氏の翻訳もなかなかみごとだったが、これも忘れられた本になっている。ドゾワの作品を愛する人間は、けっして多くないのだろう。

 ありゃ、短編集のことを書こうと思ったのに、前置きがえらく長くなってしまった。この話、次回につづきます。(2008年11月2日)

【追記】
〈SFマガジン〉1991年7月号に掲載された「特別な朝」のこと。
 なお、Dozois の発音については、ロバート・シルヴァーバーグが Do-zwah に近いと証言しているので、「ドゾワ」とした。

 ドゾワについては、本家「SFスキャナー」で紹介されたことがある。〈SFマガジン〉1975年7月号の「米国有名科学小説新人作家初紹介当分翻訳見込無」がそれで、創刊200号記念で伊藤典夫氏が久々に登板したのだった。

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