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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.06.11 Mon » 『それは外宇宙からやって来た』

 ブラッドベリ作品の映画化はいくつもあるが、嚆矢となったのが1953年公開のユニヴァーサル映画「イット・ケイム・フロム・アウタースペース」だ。それに関する資料をブラッドベリの観点からまとめたのが、本書 It Came from Outer Space (Gauntlet, 2004)である。

2005-4-29(It Came from)

 版元のゴーントレットは、現代のアーカム・ハウスともいうべきスモール・プレスで、ホラーのリプリントを中心に面白い本をたくさん出している。この本も限定の豪華本で、持っているだけでうれしくなる出来。
 もっとも、トラブルつづきで刊行が遅れに遅れ、大枚125ドルを払った身としては、このまま出ないのではないかと心配したものだ。
 版元も悪いと思ったらしく、遅れたお詫びにブラッドベリの未発表短篇を12ページのパンフレットに仕立てたものがオマケとして付いてきた(アメリカでは先に配布されたらしい)。

2005-4-29(Is That You)

 付録になるくらいだから、箸にも棒にもかからない愚作だが、珍しいことは珍しい。
 ちなみに、本体も付録も表紙の絵はブラッドベリ本人の筆になるもの。上手くはないが、なかなか味のある絵だ。

 ついでに中扉も紹介しておく。通し番号とブラッドベリの署名がはいっているページで、素人くさいレタリングは、なんとブラッドベリの孫娘リジーちゃん(8歳)の手になるもの。このページをめくると、ブラッドベリとリジーちゃんのツーショット写真があらわれる。たいした祖父バカぶりだ。

2005-7-22 (It Came from)

 中身は盛り沢山だが、メインになるのは4稿にわたるブラッドベリのシノプシス原稿。小説と脚本の中間くらいで、本人はトリートメントと呼んでいるが、これがタイプ原稿のまま収録されている。あとは原型短篇やらインタビューやら、もうひとつのオマケの短篇やら。当時のプレス資料は見ているだけで楽しい。
 この本はなにかの形で紹介するつもりなので、あとはそのときに。(2005年4月29日)

【追記】
 本書におさめられた原型短篇は、拙編のアンソロジー『地球の静止する日――SF映画原作傑作選』(創元SF文庫、2006)に「趣味の問題」として訳出した。映画と原作の関係について、添野知生氏が犀利な考察をしている解説つきなので、ぜひお読みいただきたい。
「趣味の問題」は、のちにブラッドベリの短篇集『猫のパジャマ』(河出書房新社、2008)に収録された。

 なお〈SFマガジン〉2006年1月号がブラッドベリ特集を組んだとき、当方は「現役をつづけるブラッドベリ」という一文を寄せ、本書をくわしく紹介した。



 
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