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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.09.24 Mon » 『世界幻想文学賞 第二巻』

 ついでにスチュアート・デイヴィッド・シフがフリッツ・ライバーと共編したアンソロジー The World Fantasy Award Volume Two (Doubleday, 1980) も紹介しておこう。

2012-9-19(World Fantasy)

 表題どおり、世界幻想文学賞の受賞作や候補作を収録したアンソロジーで、5月24日に公開した記事 でとりあげた第一巻(ゲイアン・ウィルスン編)につづき、第2回と第3回の分を総括している。
 といっても、作品選択にあたってはかなり知恵を絞っているので、そのあたりの解説つきで目次を簡略化して書き写してみよう――

1 Terror, Mystery,Wonder  フリッツ・ライバー(序文)
2 鞭うたれた犬たちのうめき  ハーラン・エリスン(第2回短篇集部門候補作 Deathbird Stories より)
3 呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉  スティーヴン・キング(第2回長篇部門候補作『呪われた町』の代わりとしてスピンオフ短篇を)
4 十月のゲーム  レイ・ブラッドベリ(第2回生涯功労賞部門ノミネートを祝して、第1回大会で朗読された作品を)
5 煙のお化け  フリッツ・ライバー(第2回生涯功労賞受賞者の自選作品)
6 ベルゼン急行  フリッツ・ライバー(第2回短篇部門受賞作)
7 夢幻泡影 その面差しは王に似て  アヴラム・デイヴィッドスン(第2回短篇集部門受賞作『エステルハージ博士の事件簿』より)
8 The Ghastly Priest Doth Reign  マンリー・ウェイド・ウェルマン(第2回短篇集部門、生涯功労賞部門ノミネートを祝して)
9 エジプトからの訪問者  フランク・ベルナップ・ロング(第2回短篇集部門、特別賞プロ部門、生涯功労賞部門ノミネートを祝して)
10 真夜中のハイウェイ  デニス・エチスン(第3回短篇部門候補作、ならびに第3回短篇集・アンソロジー部門受賞作 Frights より)
11 The Barrow Troll  デイヴィッド・ドレイク(第2回短篇部門候補作、ならびに第3回特別賞部門受賞者シフが編集している雑誌〈ウィスパーズ〉より)
12 Two Suns Setting  カール・エドワード・ワグナー(第3回短篇部門候補作、ならびに第2回特別賞ノンプロ部門受賞出版社カーコサの主幹として)
13 恐怖の遊園地  ラムジー・キャンベル(第3回短篇部門候補作、ならびに第3回短篇集・アンソロジー部門受賞作 Frights より) 
14 There's a Long, Long Trail a Winding  ラッセル・カーク(第3回短篇部門受賞作、ならびに第3回短篇集・アンソロジー部門受賞作 Frights より)

 このほかシフの前書き、特別賞プロ部門を受賞した出版社ドナルド・M・グラント、オルタネート・ワールド・レコーディング社、特別賞ノンプロ部門を受賞したカーコサ、スチュアート・デイヴィッド・シフ=〈ウィスパーズ〉、画家部門を受賞したフランク・フラゼッタ、ロジャー・ディーンの功績を称える文章、候補作リストが載っており、画家部門の候補となったティム・カーク、スティーヴ・フェビアンの絵が別刷りで2枚ずつ収録されている。ちなみに、表紙絵は受賞者のロジャー・ディーンの手になるもの。

 未訳作品について簡単に触れておくと、1は長文の幻想怪奇文学論。8はアメリカ南部を舞台にした田舎ホラー。11はヒロイック・ファンタシー。12もヒロイック・ファンタシーで、作者の代表作《ケイン》シリーズに属す1篇。14は幽霊屋敷ものの秀作である。

 シフが編集の才を発揮しており、読み応えのあるアンソロジーだが、残念ながらこのシリーズは2巻で終わった。(2012年9月19日)

【追記】
 書き忘れたが、「個人短篇集」部門は、第3回から「短篇集・アンソロジー」部門に変更された。
 文中に何度か出てくる「第3回短篇集・アンソロジー部門受賞作 Frights 」については次回とりあげる。

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