fc2ブログ

SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

2024.01 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 » 2024.03

2013.02.27 Wed » 愉快な広告

 しばらく前に手に入れた本に、マンリー・ウェイド・ウェルマンの Battle in the Dawn (Paizo, 2011) がある。
 この本に関してはいずれ詳しく書くだろうが、今回とりあげたいのは、同書の巻末広告だ。

2012-9-12(Battle)

 パルプ・マガジンの現物をご覧になった人は知っているだろうが、新案特許商品をはじめとして、なにやら怪しげな広告がたくさん載っている。上に掲げた図版はそれを模したもので、パイゾが出している叢書《プラネット・ストーリーズ》の宣伝になっている。

 面白いのは、似顔絵つきで証言している人物が、実在・虚構をとり混ぜたSF関係者になっていること。左上から順にリストアップしてみよう――

1 アレグザンダー・ブレイド (ニューヨーク州ニューヨーク市)
2 S・M・テネショウ (マサチューセッツ州ボストン)
3 カーティス・ニュートン機長 (カリフォルニア州ヨーバ・リンダ、愛国航空)
4 ディック・オウリンスン (ウィスコンシン州レイク・ジェネヴァ)
5 N・W・スミス ニューヨーク州スケネクタディ)
6 マシュー・カース (火星、カホラ)
7 ウィル・ガース (イリノイ州シカゴ)

 1と2と7はいわゆるハウスネーム。出版社が所有しているペンネームで、いろいろな作家がこの名前を使って雑誌に作品を発表した。
 どうしてそんなことになったかというと、パルプ・マガジンの場合、カラー印刷の表紙を数カ月分まとめて刷るため、先に小説の題名とハウスネームが決まることが多かったからだ。したがって、表紙絵や、ときには先に発表された惹句や粗筋に合わせて書けそうな作家に白羽の矢が立ち、じっさいの小説を書かせたわけだ。
 ロバート・シルヴァーバーグの証言によると、一部の出版社では、特定の子飼い作家たちが複数のペンネームやハウスネームを駆使して誌面を埋めており、新規参入の余地はないに等しかったという。

 3と5と6はSF小説の主人公・3と5は説明するまでもないだろう(機長は英語だとキャプテン)。6はリイ・ブラケットのさる長篇(邦訳あり)の主人公で、住所がヒントになっている。たぶんほかの住所にもいわれがあるのだろう。

 4は証言のなかで「自分はテーブルトップ・ゲーマーだ」といっているので、リチャード・オウリンスンというゲーム系のファンタシー作家だと思うが、自信はない。ご教示いただければさいわい。綴りは Dick Awlinson である。(2012年9月12日)




スポンサーサイト