fc2ブログ

SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

2024.01 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 » 2024.03

2012.10.20 Sat » 『SF入門』

【前書き】
 以下は2011年3月24日に書いた記事である。誤解なきように。


 ジャック・ボドゥのSF入門書『SF文学』(文庫クセジュ、2011)を読んだ。訳者の言葉を借りれば「その起源(シェリー、ポー、ヴェルヌ、ウェルズ)、国ごとの歴史(アメリカ、イギリス、フランス)、主要テーマ(宇宙、時間、機械など)からジャンルの全体像を浮かびあがらせ」ようという試みである。
 なにしろ新書サイズ140ページほどの分量(400字詰め原稿用紙にして250枚くらい)なので、その試みが成功しているとはいいがたいが、フランス人の視点で書かれているので、いろいろと興味深かった。たとえば、近年はフランスでもスチームパンクが大人気らしいが、そのスチームパンクは、果たしてわれわれの知っているスチームパンクと同じものなのか。つぎはぜひフランスSFの入門書を書いてほしい。

 重箱の隅をつつこうと思えばいくらでもつつけるが、そういうのはマニアの楽しみ。とはいえ、アメリカ人の Munsey を「ムンゼイ」と表記するのだけは勘弁してほしかった。出てくるたびに、尻のあたりがこそばゆくなる。

 さて、コンパクトなSF入門といえば、当方が学生時代いちばんお世話になったのがベアード・サールス、マーティン・ラスト、ベス・ミーチャム&マイクル・フランクリン著の A Reader's Guide to Science Fiction (Avon, 1979) だ。神保町を歩いていたら、崇文荘書店の店頭の本棚にささっていた。ふだん素通りする店だったので、まったくの僥倖。以来、ボロボロになるまで使っている。

2011-3-24(Reader's)

 これは映画『スター・ウォーズ』公開後のSFブーム時にたくさん出た入門書の一冊。ペーパーバック・オリジナルで270ページほどの分量だが、作家名鑑、シリーズものリスト、ヒューゴー&ネビュラ賞受賞作リスト、名作リスト、簡便な通史から成っており、サミュエル・R・ディレイニーが序文を寄せている。

 なかでは作家名鑑が全体の75パーセントを占めており、200人の作家をとりあげている。当時これほど簡便な作家名鑑はほかになかったので、本当に重宝した。

 特徴的なのは、「この作家が好きならこういう作家を読んでみろ」と読書案内が付されていること。これがけっこうひねくれていて、どういう理由で選ばれているか、考えるのも面白い。
 たとえばブライアン・オールディスを引くと、「ジョン・ブラナーかT・J・バス」を試せと書いてある。(2011年3月24日)

スポンサーサイト