FC2ブログ

SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

2018.11 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2019.01

--.--.-- -- » スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013.07.26 Fri » 『カージの探索』

 大風呂敷を広げるといえば、リン・カーターの作品のなかでその最たるものは、おそらく《キリックス星系》シリーズだろう。
 これは、一角獣座の恒星キリックスをめぐる五つの惑星にそれぞれヒーローを配し、全体として壮大な宇宙年代記を構築しようという試み。だが、じっさいは惑星ガルザンドを舞台とする長篇1作と、惑星スーラナを舞台にした中篇2作が書かれただけで終わった。じつは、カーターもシリーズ作品を書きはじめては、未完のままほったらかしておくという悪習に染まったひとりなのである。

 ともあれ、惑星ガルザンドを舞台に、英雄カージの冒険を描いたのが、長篇 The Quest of Kadji (Belmont, 1971) だ。

2011-3-17(Quest of)

 物語は、放浪の戦士団コザンガの敗走からはじまる。一族の長サロウクは、仇敵に死をあたえるため、孫であるカージを探索の旅に送りだす。少年の面影を残した若き戦士カージは、神の武器といわれるソマ・ラの斧を手に、一路東をめざす。
 途中ひょんなことから東方人の魔術師アクスーブを助け、行動をともにするようになる。やがて旅の道連れとした漂泊民の罠にはまり、重傷を負ったカージだが、狼を友とする謎の少女ザイラの看病で一命をとりとめ、東の彼方にある〈世界の果て〉で、ついに追いつめた敵を討ちとるのだった……。

 ひとことでいうと、〈剣と魔法〉の見本のような作品。とはいえ、フォーミュラ・フィクションにはフォーミュラ・フィクションのよさがあり、読後感はけっして悪くない。

 表紙絵を描いた画家の名前は記載されていないが、サインがあるのでジェフ・ジョーンズとわかる。このころは完全にフラゼッタの模倣だったんだなあ。(2011年3月17日)

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。