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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.02.12 Tue » 『ビリーの本』

【承前】
 PSパブリッシングの本をもう1冊。ものはテリー・ビッスンの連作短篇集 Billy's Book (PS Publishing, 2009)だ。

 本文88ページの薄いハードカヴァー。ジャケットつきの豪華版と、ジャケットのない普及版があるが、当方が持っているのは後者である。念のために書いておくと、版元はイギリスの小出版社で、薄手のハードカヴァーを精力的に出しているところ。本の値段が高いのでも有名である。

2010-7-18(Billy's Book)

 これはビリーという小学生の男の子を主人公にしたブラック・ユーモアたっぷりの童話。全部で13の短いお話がはいっていて、ビリーは宇宙人や恐竜を相手に悪戯ばかりしているが、たいていその何倍もひどい目にあう。ただし、天罰覿面ではなく、不条理なところがポイントで、両親をはじめとして、出てくるのはおかしな連中ばかりである。ちなみに3篇は本書のための書き下ろし。
 
 最近のビッスンは文体がスカスカになっていて、この本も例外ではないが、童話形式なのでそれがいいほうに作用している。なかなか面白い本だが、言葉遊びの要素が強いので、邦訳すれば魅力半減だろう。

 じつは、この本のことを書く気になったのは理由がある。つい最近アメリカ版(作品配列が一部異なる)が出たのだが、こちらはルーディ・ラッカーのイラスト入りなのだ。しかも、PDF版は無料配布という気前のよさ(追記参照)。とにかく、ラッカーのイラストは破壊力抜群。リンクを張っておくので、興味のある方はご覧になられたい。

http://www.rudyrucker.com/billysbook/

(2010年7月18日)

【追記】
 現在は無料配布をしていないようだ。くわしくは上記リンク作を参照のこと。


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