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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.02.04 Mon » ジョン・クリストファー一周忌

【前書き】
 本日は英国のSF作家、ジョン・クリストファーの一周忌である。故人を偲んで、以下の記事を公開する。


 英国の中堅SF作家(だった)ジョン・クリストファーが今月4日に亡くなったそうだ。享年89。大往生というべきか。ともあれ合掌。

http://www.locusmag.com/News/2012/02/samuel-youd-aka-john-christopher-1922-2012/

 クリストファーといえば、ジョン・ウィンダムの後継者ともいうべき存在で、「渋い」英国SFのイメージを体現したような作品を書く人だった。あちらでの評価は非常に高い。
 もっとも、代表作『草の死』と『大破壊』はハヤカワ・SF・シリーズで訳出されたものの、けっきょく文庫にはならなかったし、ジュヴナイル方面の代表作《トリポッド》シリーズも学習研究社とハヤカワ文庫SFから二度にわたって邦訳が出たが、あまり評判を聞かないところを見ると、わが国での人気はさっぱりなのだろう。

 当方は高校生のころに『草の死』を読んで、その荒涼たる破滅のヴィジョンに魅せられた口なので、けっこう思い入れがある。
 だいぶあとのことだが、英国児童文学界の雄、ジョン・ロウ・タウンゼンドが著した『子どもの本の歴史』(岩波書店)を読んでいたら、クリストファーの作品が絶賛されていて、なんだか嬉しくなったことを思いだす。

 本棚をひっかきまわして、クリストファー関連の本を探してきた。いまとなっては珍しいと思われる画像を掲げておく。

2012-2-5(Year of Comets)

 上の図版は、SF長篇第一作 The Year of the Comet (1955) のスフィア版ペーパーバック(1978)の二刷(1983)。冷戦が過熱して、熱い戦争に変わりそうなときに、彗星が地球に近づいてきて……という話らしいが、読んでいない。

 あとの2枚は第一期〈奇想天外〉に短篇が掲載されたときの扉ページ。邦訳はここでしか読めないはずである。

blog_import_4f7c559a56bec.jpg

 まずは1974年7月号に載った「職業上の賭」。目次には「中篇SF傑作」と惹句があるが、長さは55枚くらいなので、ヒューゴー賞基準なら短篇である。第一期〈奇想天外〉には短めの作品ばかりが載っていたので、わざわざ「中篇」と謳いたくなるほど編集部には長く感じられたのだろう。

blog_import_4f7c559bcef22.jpg

 つぎは1974年10月号に載った「人類ごっこ」の扉。
 この号は休刊号で、「ショート・ショート・フェスティヴァル」と銘打ってショート・ショートを一挙に19篇掲載した。ピアズ・アンソニイ、ロジャー・ゼラズニイ、エリック・フランク・ラッセルのここでしか読めない作品が載っているので、ファンは要チェックである。(2012年2月5日)

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