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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.05.25 Sat » 『未来はこうだった――ある回想』

 《SF作家の自伝》シリーズ。第一弾は、生まれた順番でフレデリック・ポールの The Way the Future Was: A Memoir (Ballantine/Del Rey, 1978)。ただし、当方が持っているのは翌年に同社から出たペーパーバック版だが。

2009-9-19 (The Way Future)

 別刷りで写真が16ページついているのが嬉しい。

 この本を入手したときは、彼我のSF界の厚みを痛感させられた。SF作家の自伝が大手の出版社から出て、それがペーパーバックになるのだ。当時のわが国ではおよそ考えられないことだった。
 それから20年以上たって小松左京の自伝が出た。すこしは事態が好転したと思いたいが、これから自伝がふえるかどうかは予断を許さない。まあ、筒井康隆の自伝なら出そうだが、ほかの作家はどうだろう。立派な方がつぎつぎと亡くなっていくので、ぜひとも自伝を書き遺してもらいたいのだが(念のために書いておくが、ここで話題にしているのは自伝であって、評伝や自伝的小説ではない)。
 それにしても作家の自伝は面白い。変わった性格の人が多いうえに、記憶力と再現力が抜群なので、たいてい面白く読めてしまう。作品より面白い場合もすくなくない。

 おっと話がずれた。ポールは1919年生まれなので、今年90歳。つい不謹慎なことを考えてしまうが、この本を上梓したのは50代の終わり。功成り名を遂げた大御所が、青春時代(といっても、この人の場合、50歳くらいまでが青春なのだが)を回想した書ということになる。

 なにしろ、ファン、編集者、エージェント、作家、講演家、アメリカSF作家協会会長、はては親善使節と、SF界の役どころをひと通り演じてきているうえに、すべての面で高い評価を受けている人物だ。エピソードの面白さに加え、独特の饒舌体に乗せられて、一気に読了できる。

 なかでもおかしいのが、あるSF雑誌の不採用通知が立派だったので、それほしさに駄作と承知で投稿をくり返していた話。巨匠12、3歳のころのエピソードである。

蛇足
 豊田有恒の『あなたもSF作家になれるわけではない』を忘れていた。あれも自伝の一種といえるだろう。ほかにあれば教えてください。(2009年9月19日)

【追記】
 山岸真氏にいろいろと教えてもらった。許可を得て、そのコメントを転載する。深謝。

「横田順彌『横田順彌(ヨコジュン)のハチャハチャ青春記』。光瀬龍「ロン先生の青春記」は1940年代限定ですが、密度的には長篇自伝。豊田本がありなら、同じ雑誌に連載された矢野徹「あなたもSF翻訳家になれるわけではない」も(『矢野徹・SFの翻訳』として単行本化)。かんべむさし『むさしキャンパス記』や豊田有恒『日本SFアニメ創世記』はピンポイントすぎるか。夢枕獏も青春回想記みたいなのがあったかも」

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