FC2ブログ

SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

2018.11 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2019.01

--.--.-- -- » スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013.06.16 Sun » 『ソロモン・ケイン』

【承前】
 ロバート・E・ハワードの《ソロモン・ケイン》シリーズだが、当方はバンタムから出た2分冊ヴァージョンを持っていた。それぞれ Solomon Kane #1: Skulls in the Stars (1978)、Solomon Kane #2: The Hills of the Dead (1979) と題されている。

2009-3-29 (Solomon Kane 1)
2009-3-29 (Solomon Kane 2)

 造本が面白い。ペーパーバックの表紙が内側に折り込みになっていて、広げると横長の1枚絵になるのだ。
 表紙絵の画家は、2のほうはボブ・ラーキンと判明しているが、1のほうは不明。タッチがちがうので別の画家だと思うが、くわしいことはわからない。表紙絵の版権はバンタム・ブックスの所有になっている。果たしてこの画家はだれなのだろう。ご存じの方がいれば、教えてください。

 内容だが、どちらもJ・ラムジー・キャンベルの序文つき。第一巻には小説7篇と詩1篇、第二巻には小説5篇と詩2篇が収録されている。

 最大の特徴は、未完作品3篇がラムジー・キャンベルによって補完されていること。つまり、ハワードが放棄したあとを承けて物語を書き継いでいるのだ。
 
 英国ホラー界の雄キャンベルとハワード作品の組み合わせは奇異に思えるかもしれない。じつは、このころキャンベルは、ホラーだけでは食っていけないのか、〈剣と魔法〉にも手を染めていた。そのためお鉢がまわってきたのだろうが、この人選は完全に誤っていた。ご承知のとおり、キャンベルの作風は、粘着質な文体でじわじわと恐怖を盛りあげていくものであり、冒険活劇にはおよそ向いていないからだ。要するに水と油である。

 ディ・キャンプが先鞭をつけたせいで、ハワードの未完作品は補完して世に出すことが通例となった。この傾向に異を唱えたのが遺産管財人のグレン・ロードで、主に小出版社のドナルド・M・グラントと組んで、未完作品は未完のまま収録した作品集を刊行しつづけた。その好例が、昨日紹介した Red Shdows である。

 さいわいにも、いまではハワードの主要作品については、未完作品は未完のまま収録した作品集が簡単に手にはいる。たとえば《ソロモン・ケイン》シリーズの場合は、前に紹介した The Savage Tales of Solomon Kane (Wandering Star, 1998 / Del Rey, 2004) という完全版がある。グレン・ロードとラスティ・バーク様々である。(2009年3月29日)


スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。