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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.04.26 Fri » 『髑髏面その他』

 パンサー・ブックスつながりで、Skull-Face Omnibus についても書いておきたい。当方が最初に手に入れたハワードの本なので、ことのほか愛着があるのだ。

 ハワードの最初の単行本は A Gent from Bear Creek (1937) だが、これはイギリスで出たユーモア・ウェスタンの連作集。では、本国アメリカで最初に出た本はというと、アーカム・ハウスから出た傑作集 Skull- Face and Others (1946) になる。
 発行部数3004。もちろんコレクターズ・アイテムだが、内容も相当に優れている。ハワードの最良の部分を集大成しようという意図で編まれており、怪奇幻想小説に関してはこれ1冊あればいいくらいだ。
 これを3分冊でペーパーバック化したのが、パンサー・ブックス版だが、先に紹介した The Dark Man Omnibus とちがって、1冊ごとの独立性が強くなっている。
 というのも、発行者オーガスト・ダーレスの前書き、“Which Will Scarcely Be Understood”と題されたハワードの詩、僚友H・P・ラヴクラフトによる追悼文「ロバート・アーヴィン・ハワード――ある追想」(《新訂版コナン全集》第2巻に訳出)がどの巻の冒頭にも重複して収録されているからだ。作品の配列も親本とはちがっており、巻ごとにまとまりを持たせている。要するに、どの巻も単独で読めるようになっているのだ。

 第1巻は Skull-Face and Others (1976) 。表紙絵はクリス・アキレオスが担当しており、集中の「密林の人狼」を題材している。

2009-3-21 (Skull Face)

 内容のほうだが、先に記した3つの文章のあと、同僚作家E・ホフマン・プライスによる長文の回想記“AMemory of R.E.Howard”が置かれており、そのあと小説6篇がつづく。さいわい全作品が邦訳されているので、題名だけ並べておく――

「スカル・フェイス」、「密林の人狼」、「黒の碑」、「吸血鬼の墓」、「鬼神の鬼塚」、「ブードゥー教の半魚人」

 ご覧のとおり、オーソドックスなホラー短篇集となっている。

蛇足
 その1。『スカル・フェイス』(1977)という題名のハワード作品集が、国書刊行会から出たことがある。アーカム・ハウス版とは収録6篇中5篇が重なっているが、訳者代表の鏡明氏によれば、「この作品集(アーカム・ハウス版のこと――引用者註)の縮小版をつくろうなどという大それた考えはなかったが、作品の選択にあたっては、この作品集から取ることを第一に考えた」そうである。

 その2。プライスの回想記は、ハワード本人と会ったときのようすを詳しく伝えており、非常に面白い。これを《新訂版コナン全集》に訳出したかったのだが、いかんせん長さが45枚もあり、断念せざるを得なかった。代わりに、この文章の原型となった「ロバート・アーヴィン・ハワード」という10枚ほどの追悼文を第4巻に訳出したが、いまだに心残りである。(2009年3月21日)

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