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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.11.24 Sat » 『星明かり』

【承前】
 昨日ベスターの短篇集について触れたので、そちらも紹介しておこう。Starlight: The Great Short Fiction of Alfred Bester (Doubleday, 1976) である。

2009-2-10(Starlight)

 もともとペーパーバック2冊だったものを、あとからハードカヴァーで合本にしたという珍しいケース。どうやらSFブック・クラブ向けのお徳用パックを作ることになり、SFBC版とダブルデイ版が同時に出たらしい。ちなみにペーパーバックのほうは The Light Fantastic と Star Light, Star Bright という題名で、ともに1976年、バークリーからの刊行である。

 内容のほうは、ザ・ベスト・オブ・ベスターといっていい。収録作を整理して並べる――
 第一短篇集から “5,271,009”、「ごきげん目盛り」、「消失トリック」、「イヴのいないアダム」、「オッディとイド」、「選り好みなし」、「願い星、叶い星」、「時と三番街と」
 第二短篇集から「マホメットを殺した男たち」、「時間は裏切り者」、「昔を今になすよしもがな」、「ピー・アイ・マン」
 それ以外に小説として “The Four-Hour Fugue” 、「地獄は永遠に」、「シャンペンボトルの中から発見された手記」、 “Something Up There Likes Me”
 エッセイとして“Isaac Asimov”(人物探訪記事)と“ My Affair with Science Fiction”(自伝)が収録されている。

 各篇にベスターの前書きがついているが、「ごきげん目盛り」には、さらに訳して8枚ほどのコメントがついている。よっぽど愛着があったのだろう。
 それらのコメントや自伝に盛りこまれた情報は、当方が編訳した『願い星、叶い星』(河出書房新社)のあとがきに記しておいた。

 未訳作品のうち“The Four-Hour Fugue“”は長篇『ゴーレム 100』(正しくは 100 が右肩付き。うちのワープロでは、そういう芸当はできないので、ご勘弁を)の原型となった作品。シマ博士が出てくる殺人ミステリのパートに相当するが、主人公の名前は Dr. Skiaki になっている。
 “Something Up There Likes Me”は、人工衛星に搭載されているコンピュータに意識が芽生え、地上に住む若い男女の仲をとりもつ話。ほのぼのとしたいい話だが、およそベスターらしくない。はじめて読んだときは驚いたものだ。
 “5,271,009”について書くと長くなるので、またの機会に。(2009年2月10日)



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