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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.02.01 Fri » ノヴェラとノヴェレット

【前書き】
 これまでノヴェラやノヴェレットという言葉を説明ぬきで使ってきたが、いちどきちんと説明しておこうと思う。というわけで、以下の記事を公開する。


 わが国では短篇と長篇という言葉が恐ろしいほど恣意的に使われていて、400字詰め原稿用紙換算で200枚の短篇もあれば、300枚の長篇もあるといった具合だが、アチラではかなり厳密な区分がされている。ヒューゴー賞の基準を例にとると、つぎのようになっている――

ショート・ストーリー(短篇) 60枚未満
ノヴェレット(中篇) 60枚以上120枚未満
ノヴェラ(長い中篇) 120枚以上330枚未満
ノヴェル(長篇) 330枚以上

 付け加えれば、20枚未満の作品をショート・ショート・ストーリー、250枚から330枚くらいの作品をショート・ノヴェルと呼ぶこともある。
 ついでに書いておくと、ノベレットというのは長めの短篇、ノヴェラというのは短めの長篇といった趣がある。

 ヒューゴー賞の話をすると、むかしは短篇と長篇の2部門しかなかった。これでは30枚の短篇と、250枚のノヴェラが同じ土俵で争うことになる。それはあまりにも無茶だという反省から、部門が細分化されたという経緯がある。
 もちろん、グレーゾーンは存在するので、ときにはノヴェレット部門の受賞作とノヴェラ部門の受賞作の長さがほぼ同じというような事態も起こるが、この区別は意識しておいたほうがいい。

 短篇、中篇、長篇と並べると、たんに長さのちがいだけに思えるが、英語ではべつの名前がついているように、それぞれかなり性格がちがうものなのである。(2008年12月9日)
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