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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.12.04 Tue » 『暗黒神と真紅の夢』

【承前】
 C・L・ムーアの二大人気シリーズ《ノースウェスト・スミス》と《ジョイリーのジレル》をまとめたお徳用袋みたいな本も出ている。Black Gods and Scarlet Dreams (Gollancz, 2002) がそれで、入手しにくい名作を安価なトレードペーパーで出している好企画《ファンタシー・マスター・ワークス》の1冊。
 形だけ見れば、スペース・オペラと〈剣と魔法〉のカップリングだが、作品のトーンは似通っているので、まったく違和感はない。それだけムーアという作家の個性が強いということだ。

2008-9-27(Black Gods)

 じつは、この本は買ってがっかりした。というのも、この叢書は編集コンサルタントを務めるスティーヴン・ジョーンズが、各巻に力のこもった解説を寄せていて、それを読むのが最大の楽しみなのだが、この本にはその解説が付いていないのだ(追記参照)。目次がないなど、編集にも杜撰な点がある。とうていジョーンズの仕事とは思えない。

 要するに Jirel of Joiry と Scarlet Dream (シリーズ作品中3篇が未収録)という2冊の本をカップリングしただけで、この本自体の独自性は皆無。テキストを入手できなかった人には嬉しい贈り物だろうが、どちらの本も所有している人間にすれば、わざわざ買うまでもないのであった(2008年9月27日)。

【追記】
 ジョーンズの解説については、当方が最初に買った何冊かがたまたまそうだったのであり、解説の付いてない本のほうが多いとあとでわかった。したがって、ジョーンズの解説を目当てにすること自体がまちがいだったわけだ。この点については関係者に謝罪する。
 前にジョーンズと当方は趣味が一致すると書いたが、それが証明された形である。


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