2013.03.23 Sat » 『眼のある影』
【承前】
つぎもバランタイン・ホラー・シリーズの1冊で Shadows with Eyes (Ballantine, 1962) だ。

この短篇集は目次がない。中扉があり、日本の奥付にあたるページがあり、いきなり本文がはじまっている。128ページで終わっているので、一台ふやすのを避けたのだろうが、やっぱり不便。活字も小さいし、作品が終わると、つぎの作品が追いこみではじまる。要するに余白がほとんどないのだ。むかしの本はほんとうに紙をケチっていたのだよなあ。
造りは安っぽいが、内容は悪くない――
闇の世界
死んでいる男
指人形の魔力
現代の呪術師
電気と仲よくした男
A Deskful of Girls
集中「闇の世界」はライバーの怪奇小説のなかで五指にはいる佳作。ライバーがユング心理学に傾倒しはじめた時期の作品で、作者の考えがわりに生の形で出ている。つまり、小説の形で自己の創作原理を表明したものといえる。
全篇にみなぎる緊迫感がすばらしいので当方の編む傑作集にも入れるつもりだったが、90枚という長さと既訳がある点がネックになって、けっきょく断念した。(2008年3月7日)
つぎもバランタイン・ホラー・シリーズの1冊で Shadows with Eyes (Ballantine, 1962) だ。

この短篇集は目次がない。中扉があり、日本の奥付にあたるページがあり、いきなり本文がはじまっている。128ページで終わっているので、一台ふやすのを避けたのだろうが、やっぱり不便。活字も小さいし、作品が終わると、つぎの作品が追いこみではじまる。要するに余白がほとんどないのだ。むかしの本はほんとうに紙をケチっていたのだよなあ。
造りは安っぽいが、内容は悪くない――
闇の世界
死んでいる男
指人形の魔力
現代の呪術師
電気と仲よくした男
A Deskful of Girls
集中「闇の世界」はライバーの怪奇小説のなかで五指にはいる佳作。ライバーがユング心理学に傾倒しはじめた時期の作品で、作者の考えがわりに生の形で出ている。つまり、小説の形で自己の創作原理を表明したものといえる。
全篇にみなぎる緊迫感がすばらしいので当方の編む傑作集にも入れるつもりだったが、90枚という長さと既訳がある点がネックになって、けっきょく断念した。(2008年3月7日)
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