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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.03.16 Sat » 『精神の蜘蛛その他の短篇』

【承前】
 つぎもSF寄りの短篇集で、The Mind Spider and Other Stories (Ace, 1961) だ。

2008-3-1(Mind Spider)

 目次を書き写すと――

①The Haunted Future  (Tranquility, or Elese! 改題)
②Damnation Morning  《改変戦争》
③歴戦の勇士  《改変戦争》
④鏡の世界の午前0時
⑤獣の数字  《改変戦争》
⑥The Mind Spider

 例によって未訳作品について触れておくと、①は精神分析の発達で国民がつねに平穏状態に置かれ、平和なかわりに進歩のなくなった未来のアメリカを舞台に、あるトリックスターが社会をひっかきまわそうとする話。エリスンなどの作品を先取りしていたわけだ。
 ②は、歴史改変を目的に争っているふたつの勢力が、時間戦争の新兵をリクルートする話。ウルトラ・モダンなゴースト・ストーリーともいえる。アル中の一人称で語られるのだが、ライバー自身がアル中だったせいか、その荒涼とした心情吐露に妙な迫力がある。
 ⑥は採点メモに2点がついているので、読み返さなかった。

 集中ベストは古風な怪奇小説「鏡の世界の午前0時」だろう。だが、この手の怪奇小説は当方が編む傑作集には入れないことにした。次点は「歴戦の勇士」か“Damnation Morning”だろうが、《改変戦争》ものは入れないことにしたので見送り。ちなみに、前者はホラーSFアンソロジー『影が行く』(創元SF文庫)に新訳したことがある。(2008年3月1日)

【追記】
 上記“Damnation Morning”は、いま編んでいるアンソロジーに訳出する。詳細は後日。

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