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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.06.29 Sat » 『セイバーヘーゲン自選傑作集』

【前書き】
 本日はアメリカのSF作家フレッド・セイバーヘーゲンの命日である。故人を偲び、訃報に接した2007年7月5日に書いた記事を公開する。


 いまごろ知ったのだが、アメリカのSF作家フレッド・セイバーヘーゲンが、去る6月29日に亡くなっていた。享年77。
 デビューは1961年で、去年も長篇が出ていたから、45年も現役だったことになる。典型的な職人作家であり、オリジナリティは皆無に近いが、既存のパターンをうまくひねって、つねに水準以上の作品に仕上げていた。
 その美点や特質は、『バーサーカー/星のオルフェ』(ハヤカワ文庫SF)の解説に書いたことがある。そこにも記したように、当方の好きな作家のひとりだった。まずは合掌。長いあいだご苦労さまでした。

 追悼の意味をこめて、セイバーヘーゲンの本をいくつか紹介する。まずは自選短篇集 Saberhagen: My Best (Baen, 1987) から。表紙絵はトム・キッドの筆になるものだ。

2007-7-5 (Saberhagen)

 表題どおりの内容で、1961年から87年にかけて発表された17篇が収録されている。邦訳がある作品はつぎのとおり――

「バースデイ」、「スマッシャー」*、「和平使節」*、「グッドライフ」*、「鋼鉄の殺戮者」*、「機械の誤算」*、「マーサ」、「地球を覆う影」

 題名のあとに*を付したのは《バーサカー》シリーズに属す作品。セイバーヘーゲンといえばバーサカーというのは、衆目の一致するところであり、本人もそう自負していた証拠である。もっとも、《バーサカー》シリーズ以外の中短篇はほとんど訳されていないわけで、その点がちょっと残念。

 序文もコメントもない無愛想な本だが、セイバーヘーゲン入門にはうってつけの1冊だろう。

 未訳の作品のなかでは“The Long Way Home”というのがちょっとすごい。どうせ邦訳は出ないだろうからネタをばらすが、宇宙船のなかで綱を引っ張ることに一生を捧げている人々が出てくる。その力でエンジンの故障した宇宙船を動かしているのだ。もう何世代がこの作業に従事してきたことか。目的地はまだまだ遠い……。

 C・C・マキャップの「完璧な装備」(こちらは弓で矢を飛ばし、その反動で宇宙空間を航行する)とならぶ二大人力宇宙船ものとして当方は偏愛している。(2007年7月5日)


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