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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.05.23 Thu » 『パンゲアの狩人たち』

【前書き】
 以下は2007年4月15日に書いた記事である。誤解なきように。

 最近買った本のなかにスティーヴン・バクスターの第三短篇集 The Hunters of Pangaea (NESFA Press, 2004) がある。

 版元はファン出版社の雄NESFAプレス。前にも書いたが、その母体はボストンを本拠地とする New England Science Fiction Association というファン・グループ。年に一回ボスコーンというSF大会を開いており、それに合わせてゲストの本を作ることで知られている(誤解がないように書いておくが、そうでない本もたくさん出している)。
 本書は41回めのボスコーンに合わせて作られた本で、ハードカヴァー限定1500部。当方が持っているのは1255番である。ちなみに、ジョン・G/クレイマー&キャスリン・クレイマーの序文つき。

2007-4-15(Hunters of Pangae)

 本書には18篇の中短篇と5篇のエッセイがおさめられている。ちなみに、すべて未訳である(追記1参照)。
 いまのところ読んだのは、サイモン・ブラッドショウとの共作 Prospero One (1996)だけ。これはバクスター得意の改変歴史宇宙開発もので、イギリス初の有人衛星打ち上げを描いている。表題はじっさいに計画されたが幻に終わったイギリスの有人衛星の名前。管制室でアーサー・C・クラークが大喜びする場面があるのが印象的だ。

 正直いって、小説よりはエッセイのほうに心惹かれる。とりわけ「ハーフ・タイムの歴史――SFにおけるサッカー」というのは面白そうだ。そのうち読んでみよう(追記2参照)。(2007年4月15日)

【追記1】
 この後「慣性調査装置をめぐる事件」という中篇が、マイク・アシュリー編のアンソロジー『シャーロック・ホームズの大冒険 下』(原書房、2009)に訳出された。

【追記2】
 本書はバクスターの関心領域を網羅するスクラップ・ブック的作品集だった。つまり、長篇執筆の過程で生まれた派生作品や、その調査の結果を活かしたエッセイがおさめられているのだ。

 エッセイのなかでは「タイム・マシン」、「火星」、「サッカー」を主題にした3篇がとりわけ面白い。バクスターのファン気質がいい方に出ていて、実作をあげて楽しそうに論評している。
 
 表題作は、知能を進化させた恐竜がいて、槍を使って狩りをしていたという話。長篇 Evolution から派生した作品とのこと。
 《マンモス》三部作から派生した作品“Behold New Behemoth”も興味深い。西部開拓時代までマンモスが生き残っていたという話である。
 あとはSFミステリから、H・G・ウェルズ作品のパスティーシュ、ウェルズ本人が登場するノンSF、ファンタシー連作までと幅広いが、上記を超えるものはなかった。


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