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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.12.13 Thu » 『怪物の怪物本』

【前書き】
 以下は2007年4月11日に書いた記事である。


 懸案だったモンスター小説アンソロジー(追記参照)に目処がついた。早い人には去年の8月末に原稿をあげてもらったのに、当方がずるずると遅らせていた仕事である。まったく申し訳ない。とりあえず入稿はすませた。先は長いが、まずはひと安心である。

 前にも書いたが、これは創元推理文庫F分類から出す予定のアンソロジー。収録作家はつぎのとおり――
 ジョゼフ・ペイン・ブレナン、デイヴィッド・H・ケラー、P・スカイラー・ミラー、シオドア・スタージョン、フランク・ベルナップ・ロング、アヴラム・デイヴィッドスン、ジョン・コリア、R・チェットウィンド・ヘイズ、ジョン・ウィンダム、キース・ロバーツ。
 SF作家ということになっている人も多いが、作品はすべて怪奇幻想小説である。

 さて、このアンソロジーを編むにあたって参考にしたうちの一冊が、マイクル・オショーネシー編 The Monster Book of Monsters (Bonanza, 1988) だ。

2007-4-11(Monster Book)

 じつをいうと、ブレナンの小説の原文を入手するつもりで買ったのだが、これが当方の趣味にぴたりと一致した本で、大いに参考にさせてもらったしだい。
 編者についてはなにも知らない。続刊が予定されていたようだが、けっきょく出なかった。やはり当方が大喜びする本は売れないのだよ。

 これはイギリスで出た本で、ハードカヴァー350ページを超える大著。「A is for ALIENS, ANDROIDS, AAAARGH!」、「B is for BIRDS, BEASTS AND BLOOD」といった具合にキーワードが立てられ、アルファベット26のセクションに50篇がおさめられている。
 モンスター小説を広義にとり、中国の志怪からニューウェーヴSFまで、雑多なジャンルを網羅している。短いものはわずか1ぺージ、長いものは100枚の中篇と長さもバラバラなら、内容のほうも玉石混淆。レイ・ブラッドベリ「霧笛」のような定番もあれば、ネルスン・ボンド「見よ、かの巨鳥を!」のような掘り出しものもあり、ロバート・ブロック「蛇母神」のような駄作もあるといった具合。とはいえ、ほかではお目にかかれないような作品が多く、舐めるように読ませてもらった。

 結果として、ブレナン「沼の怪」のほか、ミラーの海底原人もの“The Thing on the Outer Shoal” とヘイズの心霊吸血鬼もの“Looking for Something to Suck” を採らせてもらった。オショーネシーさん、ありがとう。 (2007年4月11日)

【追記】
 拙編のアンソロジー『千の脚を持つ男――怪物ホラー傑作選』(創元推理文庫、2007)のこと。


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