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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.12.01 Sat » 『C・L・ムーアとヘンリー・カットナー――魂と才能の結婚』

 リイ・ブラケットの伝記を読んで知ったのだが、彼女が作家として出発するにあたっては、ヘンリー・カットナーの力添えがあったらしい。というのも、ブラケットが小説を書き、作家志望者向け雑誌に広告が載っていたエージェントに送ったところ、そこでリーダー(原稿閲読係)を務めていたのが、まだ駆け出し時代のカットナーだったのだ。カットナーはブラケットの才能を見抜き、そのエージェントではなく、SFに強い自分のエージェント、ジュリアス・シュワーツを紹介したというわけ。
 その後、カットナー&ムーアとハミルトン&ブラケットのカップルは、たがいの結婚前/結婚後を通じて親しくつきあっていたらしい。

 というわけで、今回はヴァージル・アッター、ゴードン・ベンスン・ジュニア、フィル・スティーヴンセン=ペイン共編 C.L.Moore & Henry Kuttner: A Marriage of Souls and Talent (Galactic Central Publications, 1996) を紹介する。

2007-1-31(C.L.Moore &)

 じつはこれ、てっきり研究書か評伝だと思って買ったのだが、届いた本は作品リストだった。ま、こういう本は持っていて損はないから、べつにかまわないのであった。

 版元はイギリスのファン出版社。これも素人臭い本で、ワープロのプリントアウトをそのまま版下にして印刷したもの。とはいえ、本文142ページなので、さすがに製本されている。1986年に初版が出て、これが第四版ということらしい。
「熱心な読者向けの書誌」シリーズの第21巻となっており、既刊リストを見ると、有名どころから渋いところまで、SF作家の名前がずらりと並んでいる。あー、欲しいリストばっかりだ。そのうち買い集めよう。

 肝心の内容だが、みごとなまでにリストに徹している。序文はあるが、リストの使い方の説明が書かれているだけで、作家(たち)についての論評めいたものはいっさいない。
 もちろんリストは精密をきわめており、日本で出た訳書までちゃんと網羅しようとしている。ただし、日本語は読めないらしく、情報は相当に混乱しているが。たとえばこんな具合――

B6. JULHI [C-?: A21 + ?]
Shobo (pb) , mid '70s {translated into Japanese}

B7. JULHI AND OTHER STORIES [C-?: A21 + ?]
Hayakawa (pb) ,late '70s {translated into Japanese}

 誤解がないように書いておくが、当方は「知り得たかぎりのことはリストに載せたい!」という編者たちの執念に感心しているのだ。このマニア魂には頭が下がるのである。(2007年1月31日)

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