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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.07.22 Mon » 『古きに代わる新しき世界』

 リン・カーターの空想世界啓蒙アンソロジー第二弾が、New Worlds for Old (Ballantine, 1971) だ。

2006-10-3 (New)

 変わった表題だが、これにはつぎのような意味がある。
 むかしから人間は、「ここではないどこか」を空想してきた。かつてその空想の地は、地球上のどこかにあるとされていた。だが、時代が下るにつれ、地球上にそのような土地が存在しないことが明らかになり、ちがう種類の別世界を空想せざる得なくなった。それが「古きに代わる新しき世界」である。

 というわけで、その「古き世界」をテーマにしたのが、本書の姉妹編 Golden Cities, Far (Ballantine, 1970) で、こちらは神話・伝説の再話やそれを題材にした創作を集めている。それに対して本書は、個人が空想した別世界を舞台にしたファンタシーを集めている。

 さすがに第二弾だけあって、作家の選択にちょっとヒネリが見られる。例によって作家名を列挙する。

 ウィリアム・ベックフォード(C・A・スミス訳)、エドガー・アラン・ポオ、ジョージ・マクドナルド、オスカー・ワイルド(詩)、ロード・ダンセイニ、H・P・ラヴクラフト、ゲイリー・マイヤーズ、リン・カーター、ジョージ・スターリング(詩)、ロバート・E・ハワード、C・L・ムーア、クリフォード・ボール、クラーク・アシュトン・スミス(詩)、マーヴィン・ピーク。

 そろそろ珍しい作品が底をついたのか、いろいろと苦しい選択。 たとえば、ピークの作品が収録されていると聞くと色めきたつ向きもあるだろうが、じっさいは『タイタス・アローン』から削られた章が載っているだけ。羊頭狗肉の感が強い。
 それでも、スターリングとスミスの師弟をそろい踏みさせるなど、知恵を絞ったあとは見える。

 ちなみにクリフォード・ボールというのは、コナン・フォロワー第一号ということで、古手の〈剣と魔法〉ファンには有名な作家だが、訳されていないのには理由がある。発表された三篇、すべて箸にも棒にもかからない駄作なのだ。いくら珍しいからといって、駄作を収録するのはやはり良くない。肝に銘じておこう。(2006年10月3日)
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