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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.08.14 Tue » 『ファンタシーの新世界第二集』

 昨日につづいてテリー・カー編の New Worlds of Fantasy #2 (Ace, 1970) を紹介する。

2006-7-9(New Worlds 2)

 25年以上も前、いまは亡き東京泰文社に通いはじめたころに買った本なので、ことのほか愛着が強い。当時はろくに英語が読めなかったが、ケリー・フリースのイラストを見ているだけでも楽しかった。

 収録作品はつぎのとおり――

「石化世界」ロバート・シェクリー
The Scarlet Lady キース・ロバーツ
They Loved Me in Utica アヴラム・デイヴィッドスン
「バベルの図書館」ホルヘ・ルイス・ボルヘス
「災厄の船」バリントン・J・ベイリー
Window Dressing ジョアンナ・ラス
「大瀑布」ハリー・ハリスン
「霧の夜の出来事」クリス・ネヴィル
A Queit Kind of Madness デイヴィッド・レッド
The Old Man of the Mountain テリー・カー
「旅の途中で」ブリット・シュヴァイツァー
Backward, Turn Backward ウィルマー・H・シラス
His Own Kind トマス・M・ディッシュ
Perchance to Dream キャサリン・マクレイン
「ラザルス」レオニード・アンドレイエフ
「みにくい海」R・A・ラファティ
「ムーヴィー・ピープル」ロバート・ブロック
「重要美術品」ロジャー・ゼラズニイ

 このうちデイヴィッドスン、ラス、シラス、ディッシュ、マクレインの作品は書き下ろし。なかなか意欲的な仕事ぶりだ。

 今回もボルヘス、アンドレイエフと非英語圏作家がはいっているのが特徴。カーも文学青年だったのだなあ。 
 ベイリーの名前は意外だが、これはダンセイニ風のファンタシー。だれでもいちどはこういうのを書きたくなるものらしい。隠れた秀作。

 ロバーツの作品は、キングの『クリスティーン』も真っ青の殺人自動車の話。近く創元から出すモンスター小説傑作選に入れるので、乞御期待(追記参照)。(2006年7月9日)

【追記】
 ここでとりあげたロバーツの作品は「スカーレット・レイディ」として、拙編のアンソロジー『千の脚を持つ男――怪物ホラー傑作選』(創元推理文庫、2007)に収録した。
 さらにシラスの作品を「かえりみれば」の訳題で拙編のアンソロジー『時の娘――ロマンティック時間SF傑作選』(創元SF文庫、2009)に収録した。
 ディッシュの作品は、若島正編のアンソロジー『狼の一族』(早川書房、2007)の表題作となった。


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