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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.10.09 Tue » 『パワーズ――秘史』

 うれしい本が届いた。ジョン・バーリンによるティム・パワーズ書誌 Powers: Secret Histories (PS Publishing, 2009) である。

2011-7-26 (Powers)

 限定1000部のうち309番で、パワーズのサイン入り。大判ハードカヴァーで約570ページ。しかも全ページがコート紙のカラー印刷という豪華版だ。持つとズシリと重く、立派な凶器になる。送料が35ドル98セントもするので悲鳴をあげていたのだが、本が届いたらそれも納得だった。
 それどころか、梱包には44ドル35セントのシールが貼ってある。差額は書店が負担してくれたらしい。ありがたいことである。

 じつは単純な書誌ではなく、パワーズの未発表原稿、執筆前の梗概、創作メモなどを大量におさめた資料本である。パワーズ自筆のイラストが大量に掲載されている点も特徴。パワーズは小説を書くさいに、人物や場面をスケッチするらしいのだ。若いころファンジンに寄せた絵なども載っており、なんとなくほほえましくなる。

 パワーズの友人であるディーン・クーンツ、ジェイムズ・P・ブレイロック、ウィリアム・アシュブレス(たぶんパワーズ本人の変名)、ジョン・ビアラー、チャイナ・ミエヴィル、カレン・ジョイ・ファウラーが文章を寄せているほか、パワーズ本人もセクション毎にコメントを付している。いたれり尽くせりの内容で、まさにファン必携だ。

 まだ編者バーリンの序文とクーンツの文章を読んだほかはパラパラめくっただけだが、図版を見ているだけで時間がどんどん経過していく。パワーズの著作の各国版が網羅されており、日本語版はもちろんのこと、中国語版やハングル版なども載っており、興味はつきない。

 表紙カヴァーを飾っている人物は、パワーズの写真とパワーズ筆によるバイロン像の合成だそうだ。背景の右側は現代のロサンゼルス、左側は19世紀のロンドンなのだろう。(2011年7月25日)
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