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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2012.11.01 Thu » 『強健な剣士たち』

【承前】
 ハンス・ステファン・サンテッスンの〈剣と魔法〉アンソロジー第二弾は The Mighty Swordsmen (Lancer, 1970) だ。前作に引きつづき、ジム・ステランコが表紙絵を担当しているが、今回はグラフィックなサイケ調がすばらしい。

2006-5-27(Swordsmen 2)2006-5-27(Swordsmen 1)

 収録作品はつぎのとおり。例によって作者名のあとに所属するシリーズ名を付す――

Keeper of the Emerald Flame リン・カーター 《ゾンガー》
「ショアダンの鐘」ロジャー・ゼラズニイ 《ディルヴィシュ》
Break the Doors of Hell ジョン・ブラナー 《黒衣の旅人》
The People of the Summit ビヨルン・ニューベリー 《コナン》
「炎の運び手」マイクル・ムアコック 《エルリック》
「黒河を越えて」ロバート・E・ハワード 《コナン》

 このうちカーターとニューベリーの作品は書き下ろし。前者のゾンガーはともかく、後者の贋作コナンはいただけない。同時に収録されている真正コナンが、シリーズ最高傑作との呼び声も高い「黒河を越えて」とあっては、贋作の粗ばかりが目立つのだ。読者のご機嫌をうかがいすぎた感じだ。

 あとはブラナーの《黒衣の旅人》シリーズの収録が珍しい。すこしでも新味を出そうと知恵を絞っているのがわかって、この本も印象は好ましい。(2006年5月27日)

【追記】
 ニューベリーの贋作コナンに関しては、斯界の先達、佐藤正明氏がご自身のホームページ「Babelkund」で邦訳を公開されている。リンクはトップ・ページに貼ってもらいたいとのことなので、ここから「裏Babelkund」→「ハイボリア博物館」→「山頂の民」と進んでいただきたい。

 カーターの作品は、若きゾンガーの冒険を描いた型どおりのものだが、けっこう面白い。
 ブラナーの作品については別項を立てる。


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