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SFスキャナー・ダークリー

英米のSFや怪奇幻想文学の紹介。

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2013.06.24 Mon » 『夕べはかならずやって来る』

 グレン・ロードは、ハワード書誌学の基礎を築いた偉人であり、ハワードの遺産管理人として未発表だった原稿を続々と公刊するいっぽうで、改作や模作を量産して金儲けに走ったディ・キャンプ一派と袂を分かち、ハワードの原典を世に出すことに執念を燃やした人であった。

 一読者にすぎなかったロードが、世界一のハワード研究家への道を踏みだしたのは1956年。
 当時カレッジの学生だったロードは、あるときハワードの詩集があったらいいのにと友人にもらした。すると、ないのなら自分たちで作ろうということになり、関係者に連絡をとりはじめると同時に、ハワード作品の渉猟をはじめた。

 さいわい〈ウィアード・テールズ〉はインデックスがあったので、同誌掲載の詩を中心に見つかるかぎりの詩を集め、1957年に Always Comes Evening として上梓した。
 もともとは自費出版するつもりだったのだが、話を聞いたオーガスト・ダーレスが、印刷費をロードがもつなら、自分の経営する出版社から出してもいいといってくれ、ホラー読者には名高いアーカム・ハウスから刊行される運びとなった。部数は636で、売りきるのに7年を要したという。

 その後1960年代後半から爆発的なハワード・ブームが興り、すでに稀覯本と化していた同書が再刊されることになった。それが Always Comes Evening (Underwood-Miller, 1977) だ。

2012-3-17 (Always Comes 1)

 本文110ページの大判ハードカヴァー。京都出身のケイコ・ネルスンという画家がアートワークを担当しており、多数のイラストが配された豪華本となっている(資料によると、1980年にべつの表紙カヴァーをつけた版が出まわったとのこと)。

2012-3-17 (Always Comes 2)

 初版刊行後に見つかった3篇が増補され、配列が全面的に変えられているほか、ロードが新たな序文を書きおろしている。

 独立とした詩として邦訳があるのは、「断章」、「死都アーカム」、「顕ける窓より」の3篇にとどまるが、小説のエピグラムとして掲げられた詩も収録されている。「真紅の城砦」、「黒魔の泉」、「闇の帝王」、「不死鳥の剣」、「黒い海岸の女王」がそれに当たる。

 と知ったようなことを書いてきたが、この本は天使の贈り物。あらためて代島正樹さんに感謝を捧げる。(2012年3月17日)

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